【腰椎椎間板ヘルニア】〜入院18〜19日目 ミエログラフィー〜

手術が決まり、そのための心エコーなどの検査を終えて、主治医から詳しい説明を受けたのが前回まで。


7月20日(土)ミエログラフィー

この日はミエログラフィー(脊髄腔造影)検査の日。これまでに2回行ったルートブロック(神経根ブロック注射)とよく似ている手法の検査である。神経根のある場所が脊髄腔と呼ばれる場所で、要は背骨の中の脊髄の神経の束が通っている管状の部分だ。そこに針を入れるのはルートブロックと同じ。入れる薬剤が麻酔薬ならルートブロックだし、造影剤ならミエログラフィーである。

神経根のあるあたりから脊髄腔に造影剤を流し込むと、通常は頭のほうに向かって造影剤が広がっていく。ところが、途中にヘルニアが飛び出していると、その部分で造影剤がせき止められて、それ以上は頭のほうに広がって行かなくなる。それをエックス線の透視装置で見ていると、ヘルニアの正確な位置がわかるという仕組みだ。

この検査によって、ヘルニアの位置や形状を確かめて、手術のとき切開する場所や、ヘルニアを摘出するために骨を切り取る場所や面積を正確に決める、という説明だった。

やってることはルートブロックとほぼ同じなので、注射の痛みとかも同じ。最初に筋肉に麻酔をかけるときにそれなりの痛みがあるだけで、あとはほぼ無痛である。なので、これからミエロに臨む人は、痛みの心配は特に必要ない。

ただし、検査後の安静はルートブロックが30分だったのに対して、ミエログラフィーは翌朝までとはるかに長い。これは、麻酔薬と違って、造影剤が脊髄の頭のほうまで流れ込むと、頭痛やめまいなどの副作用が出てしまうためだ。なので検査後はベッドの頭のほうを30度ほど上げた状態で寝る。また術前の食事は抜き。私の場合午後の検査だったので昼食を抜いた。朝食と夕食は普通に食べた。

当日は主治医がこの検査のあと出張とのことで、検査の結果は詳しく聞けなかった。


7月21日(日)手術前日

いよいよ手術前日である。看護師から手術のオリエンテーションとのことで、いろいろ説明を受ける。

まずは、T字帯というのを売店で買えとのこと。これはガーゼでできたふんどしのことで、出産時によく使われるそうなので、女性で出産経験がある人はよく知っているようだ。寝ていて意識がない状態でも、着脱が容易のため、全身麻酔で意識がないときに、バルーン(導尿の管)などを付けるのに便利ということだろう。

食事は前日の夕食が最後で、飲水は21時までとのこと。しかし飲水21時というのは調べてみると病院によって差がある模様。私のように午後からの手術の場合は、当日の朝ぐらいまで飲水OKの病院も多いようだ。要は全身麻酔時に嘔吐などがあると気管から肺に入って、誤嚥性肺炎などの恐れがあるので、手術までに胃を空っぽにしておく必要があるようだ。なので水やお茶なら手術の3〜4時間前までにやめれば問題ないというのが実情である。従って私の入院している病院の21時という決まりは早すぎるのである。手術後は翌朝まで絶飲食(水も)なので、点滴をしているとはいえ喉が渇きやすい。だからもう少しギリギリまで飲水は許可して欲しいものである。

その他、細かい注意点もいくつかあったが、取り立ててかき上げるほどのことはなさそうであった。

夜になって主治医が来訪。横になって足を伸ばして上げる、坐骨神経痛の基本検査を行って、痛みを再確認。手術が必要な状態あることの最終確認というところだ。逆に言えば、手術を中止する最後の機会でもあるが、私の腹はすでに決まっていたので、特に質問をすることもなかった。

前日のミエロフラフィーの結果は、ほぼ予想通りの状態だったようで、手術の詳しい術式や予定もすんなり立てられたとのこと。

これで完全にまな板の鯉になった。後は手術を待つだけである。